投資失敗

わたしが引きこもりだったときは、自分の部屋からもほとんど出ていなかったんですよ。

 

だけどたまに部屋を出ると、ドアの前に母からのメモが置かれていることがあってね。

 

「どうして出てこないの」

 

「この家に住むのに毎月〇〇円かかっている」

 

「大学のために〇〇〇万円も払った」

 

こんなメッセージをもらっていたわけです。時にはなにかの請求書も一緒になって。

 

もともとはこんなこと言う人じゃないと思いますよ。わたしが母の心までも狂わせてしまった。

 

中学生のときは塾にも通わせてもらったし、高校では好き勝手に部活をして、大学は私立に行かせてもらったし。そら嫌になりますよね。

 

わたしはお金のかかる子どもなんです。

 

「あなたはお金がかかる」

 

と実際に言われたこともあるくらい。

 

あのころの何気ない一言って心のどこかに残っていたりするものです。それが笑いながらであっても。

 

だからメモが置かれているのを見るたびに、ああ、わたしは投資の失敗案件なんだな。って思っていた。

 

お金をかけてもらったら成果をあげないと、もう生きる価値なんてないわけ。

 

それで部屋を出るのも余計に怖くなっちゃって。

 

もう恐怖でしかなかったです。

 

なにより、少しずつ元気になった心がまた暗闇に戻ってしまうのが怖かった。

 

よし、頑張れそうだって思えるようになっても、メモ一枚で引き戻されてしまう。

 

トンネルを抜けたかな?って思った後にまた落ちてしまうと、すごくしんどいんです。

 

 

しばらくして家を出れるようになったらね、今度は家に帰ること自体が怖くなってしまいました。

 

夜中に帰ったとしても、顔を合わせなくて済んだとしても、もしもメモがあったら……

 

わたしにとって、家=安心できる場所、ではなくなってしまいました。

 

途中からはメモを見ても折りたたんでそのまま捨てていた。読んでない。

 

でも自分の心を守るためにはそうするしかなかったんです。

 

 

家出する少女の気持ちとか、非行に走る少年の気持ちに想いをはせるようにもなった。

 

わたしは中学〜高校までを忙しく過ごしていて、もう家は寝る場所でしかなかったので。家の外に自分の居場所を持てていたから元気に生きてこれたんだなって、初めて気づきました。

 

 

まあ、これはですね、今の話じゃないです。もうメモも置かれない。

 

あの当時はしんどすぎてこのブログにすら書けなかった。

 

だけど、わたしが感じていた気持ちを誰かに聞いてほしいと思うようになったので、今さらだけど書いてみた。

 

あと、メンタルやられている人にああいうメモを渡すと、ふつうに死んでしまうのでやめた方がいいです。

 

これも誰かに言いたかった。泣

 

 

さて、わたしは自己肯定感を取り戻せるのでしょうかー!これからがわたしの人生の見どころだと思って、やんわり期待しつつ頑張ります。笑

 

 

なんか書いていて思ったけれど、成人した大人とその親にまつわる話だとは思えないね。笑

 

でも本当にこんなことがあったのよ。笑