呪い
一度は、呪いから解放されたんだと思う。
大学を卒業するまでに就職先を決めなければ終わり。
正社員にならないと終わり。
女の子は可愛くないと終わり。
いい歳して夢を見ているなんて終わり。
良い大学に進学しないと終わり。
若いうちに結婚しないと終わり。
この世の中は、呪いが多過ぎる。
でも呪われている方が、生きやすいのかもしれないね。
呪いから解き放たれた私は、どこにでも飛んで行けるはずなのに、どこを目指せばいいのか分からない。
また呪いにかかりそう。
どっちつかずの中途半端な状態だから、こんなことになってるんだろうな。
人は皆、呪われている。
って、どこかの誰かが言っていた気がするけれど、それがコメンテーターなのか、はたまた小説の脇役なのか。
全く思い出せない。
Googleで検索しても、人を呪う方法ばっかりヒットする。
呪いを生み出しているのは、社会なのか、世間の目なのか、両親なのか。
それとも自分で自分を呪っているだけですか。
本当は呪いなんて存在しないのかもしれないね。